彫刻家・高田博厚(たかたひろあつ) (1900~87)
2012 / 06 / 22 ( Fri )
 今、御祓公民館の地域案内で、文化人の紹介コーナーを作っている。ここで私(宮下)が作成した記事なども利用(一部修正して転載)させてもらった。
 新たに幾つか御祓地区ゆかりの文化人の記事を書いている(書いたので)、ここでも採りあげて行きたい。
 また一本杉通りの公式サイトでも、それらの記事を転載し役立てたいと考えている。

彫刻家・高田博厚(たかたひろあつ)(1900~87) 

<生い立ち>
高田博厚(たかたひろあつ)は、明治33年(1900年)8月19日、矢田郷村(現七尾市岩屋町)に生まれた。晩年、七尾の知人の中に宛てた手紙の中で高田は、七尾湾の夕空に浮かぶ雲が大変美しかったと回想しているそうだ。
高田が2歳の時、父親が弁護士開業のために福井市に移り住む。
福井市順化尋常小学校、旧制福井中学校卒業後、18歳で上京するまでの青春時代を福井で過ごした。中学校1年とき、東京美術学校に在学中の彫刻家・雨田光平氏の作品によって、初めて彫刻に触れ、文学、哲学、美術書に熱中した。
七尾市生まれの彫刻家・高田博厚
 中学卒業と同時に、上京し、東京美術学校を受験するが失敗。まもなく長年の友人(画家)に彫刻家で詩人の高村光太郎を紹介され、その交流などを通して独学で彫刻を勉強した。またその頃、当時白樺派に送られたロダンの彫刻(ロダン夫人)に強く打たれた。
「麗子像」で有名な岸田劉生とも知り合う。
友人を作ることが上手かったのだろうか、他にも岩田豊雄、中川一政、尾崎喜八、高橋元吉、片山敏彦、岩波茂雄らと次々と知り合い、また後には芸術家の他にも、武者小路実篤、草野心平、谷川徹三、中原中也、小林秀雄、大岡昇平、中野重治、梅原龍三郎らとも知己を得る。

その後、東京外国語学校伊語科に入学(21歳)するが、2年で中退。イタリアの原書をミラノの本屋から直接購入し、その後、コンディヴィ「ミケランジェロ伝」を訳註するまでに語学力も上達する。

<フランスへ>  雑誌、「白樺」で西洋美術を知り、高村光太郎と親交を結ぶ頃には高田は生涯彫刻を志す事を決断する。
昭和6年(1931)春、31歳の時、かねてより憧れだったフランスへ単身渡り、ロダンやマイヨールら金台彫刻の巨匠に学ぶ。
滞在先のパリでは文豪ロマン・ロランをはじめ、哲学者アラン、詩人ジャン・コクトーなど当時のヨーロッパの代表的芸術家ら多数の人々と交誼を持ち、数多くの事を学びましだ。
またガンジーともこの時親交を深めたようです。日本人で、一番長時間にわたってガンジーと語った事があるのは、おそらく高田博厚です。

 高田博圧は、知己を得た彼ら友人の肖像制作に励みました。これが、ヒューマニズムの思想潮流とあいまって、戦後、高田を一躍有名にすることとなったようだ。
彫刻家として、日仏友好の懸け橋として活躍した高田のフランスでの滞在は昭和32年(1957)、57歳での帰国まで20年以上に及んだ。
終戦直後は、彼はドイツで難民になるなど、生死の境をさまよう苦難を経たようです。

<晩年の高田>
 帰国後、高田は、東京にアトリエを構え、その活動は、制作・執筆・講演と幅広きにわたり、寸分の時間を惜しむ程の活躍ぶりでした。彼の多くの著述のうちフランスの精神文化を伝えるこれらの文筆は、多くの高田の愛好家を生み、今なお変わらぬ人気を保っている。新制作協会会員。日本美術家連盟委員。日本ペンクラブ理事。東京芸術大学講師などを務め、九州産業大学芸術学部の創設に尽力した。その後、老境を迎え、制作に専念するために鎌倉に転居、「自分はまだまだ小僧だ」と語り、常に探求心を怠らなかった。昭和62年(1987)、高田は86歳で静かにその生涯を終えた。
 
主な著 書・訳書など
書  名著  者 訳  者 発行年出版社
ルオー高田博厚・森有正著1990第三文明社
ロマン・ロラン全集 22 芸術研究 Ⅲロラン,R.(ロマン)著蛯原徳夫・高田博厚1981みすず書房
ミケランジェロ伝コンデヴィ,A.著高田博厚1978岩崎美術社
素描ロダン・ブールデル・マイヨール高田博厚 編著岩崎美術社
ロマン・ロランⅠロラン,R.(ロマン)著高田博厚筑摩書房
ロマン・ロランⅡロラン,R.(ロマン)著高田博厚筑摩書房
ミケランジェロの生涯ロラン,R.(ロマン)著高田博厚岩波書店
私の音楽ノート高田博厚音楽之友社
ロダンの言葉抄ロダン (岩波文庫)高田博厚・菊池一雄/編高村孝太郎訳岩波書店

(参  考)
『図説 七尾の歴史と文化』(石川県七尾市)



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